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傷病手当金は退職後ももらえる? 資格喪失後の継続給付の3条件
会社を辞めると健康保険の被保険者ではなくなりますが、在職中から受けている(受けられる状態にある) 傷病手当金は、条件を満たせば退職後も引き続き受け取れます。これを資格喪失後の継続給付といいます。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の記載(原文)
資格喪失の日の前日(退職日等)までに被保険者期間(任意継続被保険者、共済組合の組合員である被保険者又は国民健康保険に加入していた期間を除く)が継続して1年以上あり、被保険者資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態[上記「給付対象」の(1)(2)(3)の条件を満たしている]であれば、資格喪失後も引き続き支給を受けることができます。
被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。
出典: 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|給付と手続き(全国健康保険協会(協会けんぽ))/健康保険法(大正十一年法律第七十号)|e-Gov 法令検索。いずれも 2026-08-10 に取得。
満たすべき3つの条件
3つすべてを満たす必要があります。1つでも欠けると、退職日の翌日以降の傷病手当金は受けられません。
| 条件 | 原文 | 読み方 |
|---|---|---|
| (1) 退職日までに、健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あること | 被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者、共済組合の組合員である被保険者又は国民健康保険に加入していた期間を除く)があること。 | 任意継続被保険者・共済組合の組合員であった期間・国民健康保険に加入していた期間は、この1年に含めません。 |
| (2) 退職日の時点で、傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること | 資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。 | 実際に振り込まれている必要はなく、給付対象の(1)(2)(3)を満たしていれば「受けられる状態」にあたります。 |
| (3) 退職日に出勤していないこと | なお、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません。 | 挨拶や引き継ぎのための出社も「出勤」と扱われることがあります。ここが最も間違えやすい点です。 |
いちばん多い取りこぼし:退職日に出勤してしまう
退職日は、多くの会社で「最終出社日」とは別の日です。有給休暇を消化して退職日を迎える場合、 退職日そのものは会社を休んでいる状態になります。ところが、あいさつ回り・貸与物の返却・引き継ぎのために退職日に出社すると、それが「出勤」と扱われることがあり、退職日の翌日以降の傷病手当金が受けられなくなります。 退職日を決める前に、その日を出勤しない日にできるかを会社と加入先の健康保険に確認してください。
退職日そのものをいつにするか、有給をどう消化するかは、傷病手当金だけでなく 社会保険料の負担月や失業保険の受給時期にも影響します。日付の逆算は姉妹サイトが担当しています。
退職日・有給消化 逆算スケジューラー退職希望日と有給の残日数から、申し出の期限・有給消化の開始日・最終出社日を逆算する。「受けられる状態」とは何を指すか
退職日の時点で実際に振り込まれている必要はありません。全国健康保険協会(協会けんぽ)は、給付対象の (1)(2)(3) を満たしていれば「受けられる状態」にあたるとしています。該当する3要件は次のとおりです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| (1) 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること | 健康保険給付として受ける療養に限らず、自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことについての証明があるときは支給対象となります。また、自宅療養の期間についても支給対象となります。ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や病気と見なされないもの(美容整形など)は支給対象外です。 |
| (2) 仕事に就くことができないこと | 仕事に就くことができない状態の判定は、療養担当者の意見等を基に、被保険者の仕事の内容を考慮して判断されます。 |
| (3) 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと | 業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。 |
給付対象の (4)「休業した期間について給与の支払いがないこと」は、この判定には含まれていません (全国健康保険協会(協会けんぽ)の記載は「(1)(2)(3)の条件を満たしている」)。
退職後に打ち切りになる・受けられないケース
一度でも働ける状態になったあとは、再発しても受けられない
ただし、一旦仕事に就くことできる状態になった場合、その後更に仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金は支給されません。
在職中であれば、支給期間(傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヵ月です。)の範囲内で、いったん出勤して支給が止まっても 再び受けられます。しかし資格喪失後の継続給付では、この「復活」がありません。 在職中と退職後で扱いが変わる、もっとも重要な違いです。
任意継続に加入しても、新たに傷病手当金は受けられない
任意継続被保険者である期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません。
退職後に健康保険の任意継続を選んでも、それによって新しく傷病手当金の権利が生まれるわけではありません。 退職後に受けられるのは、あくまで在職中から続いている継続給付です。 また、条件(1)の「継続して1年以上の被保険者期間」には、任意継続被保険者・共済組合の組合員であった期間・ 国民健康保険に加入していた期間は含めません。
老齢厚生年金などを受け始めたとき
資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方が老齢厚生年金等の老齢退職年金の受給者になったときは、傷病手当金が支給されません。ただし、年金額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは、差額が支給されます。
出典: 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|健康保険の給付について|よくあるご質問(全国健康保険協会(協会けんぽ)/取得日 2026-08-10)
退職後に確認する窓口
継続給付の申請先は、退職前に加入していた健康保険です(退職後に加入する国民健康保険や 任意継続の窓口ではありません)。協会けんぽに加入していた場合は、加入していた都道府県支部に「健康保険傷病手当金支給申請書」を提出します。健康保険組合の場合は、その組合が窓口です。
本ページの判定は全国健康保険協会(協会けんぽ)が公表する条件へのあてはめであり、支給の可否は保険者が決定します。 自分のケースが当てはまるかどうかは、必ず加入していた健康保険にご確認ください。
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このページの一次情報の最終照合日: 2026-08-10